Japanische Klassiker mit Furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lesen Sie 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) von 福田 英子 (ふくだひでこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.051 Zeichen · 122 Bildschirme
背に腹は換えられず、つい道ならぬ欲に迷いしために、忽ち覿面の天罰受けて、かくも見苦しき有様となり、御目にかかりしことの恥かしさよと、生体なきまで泣き沈み、御恵みに与りし時は、病床にありし良人へも委細を語りて、これも天の御加護ならんと、薬も買いぬ、小供に菓子も買うて遣りぬ、親子三人久し振りにて笑い顔をも見せ合いしに、良人の病はなお重り行きて、敢えなき最期、弱る心を励まして、私は小供対手にやはり紙屑拾いをばその日の業となしたりしに、天道さまも聞えませぬ、貧乏こそすれ、露いささか悪しき道には踏み込まざりし私母子に病を降して、遂に最愛の者を奪い、かかる始末に至らしむるとは、何たる無情のなされ方ぞなど、果しもなき涙に掻き暮れぬ。妾は既にその奇遇に驚き、またこの憐れなる人の身の上に泣きてありしが、かくてあるべきならねば、他の囚徒と共にいろいろと慰めつつ、この上は一日も早く出獄して良人や子供の菩提を弔い給えなど力を添えつ。一週間ばかりにして彼は既決に編入せられぬ。されどひたすらに妾との別れを悲しみ、娑婆に出でて再び餓に泣かんよりは、今少し重き罪を犯し、いつまでもあなた様のお側にてお世話になりたしなど、心も狂おしう打ち歎つなりき。