Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

型は当流での鷹の片羽だ。右肩を胸板まで切り下げる呼吸だ。用心! 行くぞ! 防いでごらん」

またもや紋也は飛び込んだが、同時に竹刀が空を割って、すぐに洞然たる音がした。最右翼にいた門弟の一人の、字喜多文吾が打たれたのである。

「さあさあ今度は誰にしよう。五十嵐氏がよい、五十嵐氏がよい。型は当流での虎尾剣だ。竹刀をはね上げて突きを上げましょう。行くぞ! よろしいか! さあ用心!」

字喜多文吾を打ち込むや否や、元の位置に飛び返った山県紋也は、こういうとまたまた飛び込んで、真ん中にいた門弟の一人の、五十嵐駒雄という若侍を、その虎尾剣で突きやった。が、一つの事件というのは、このようにいちいち注意を与えておいて、飛び込むごとに一人一人を、一刀流での型通りに、さも鮮かに打ち込んで、またたく間に三人の門弟を退治たことをいうのではない。全くほかのことなのである。

というのは大勢の門弟を相手に、山県紋也が実戦的の型を、そうやって示している間中、道場の左側の羽目板を背負って、町人とも見えれば遊び人とも見え、浪人とも見える一人の若人が、陰険らしい眼つきをして、紋也の一挙手一投足を、心ありそうに眺めていたが、不意に飛び上がると手をのばして、板壁に幾本かかけられてある、型の練習に使用する赤樫蛤刃の木剣の一つを、やにわに握ると矢のよう