Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
鍔ぜり合い!
「院政記略」「省私録」等の名著を著わし、諸子百家の学に通じ、わけても兵学に堪能であった甲州の処士の山県大弐と、その友の藤井右門とによって、企てられた事件であって、小幡の城主織田信邦の家老の、吉田玄蕃をはじめとして、数百人の門弟があずかった。まず大弐と右門とであるが、江戸の地へ出て塾をひらいて、大義名分尊王抑覇の、堂々とした学説を立てて、兵学を論ずるにあたっては、諸国の城地を引例して、攻取の策を示したりした。すなわち朝権の衰微を憤り、尊王の精神を鼓吹して事を挙げようと企てたのであった。しかるにここに意外のことから計画は画餅に帰することになった。
織田家の用人松原郡太夫が家老の玄蕃の勢力を妬んで、玄蕃に異図のあるということを、藩主信邦に讒言をしたため、玄蕃は疑獄の人物となったが、調べが進むにしたがって、大弐と右門との企てが暗から明るみに出たのである。
しかるに一方大弐の門弟に、神田小柳町に住居をしている桃ノ井久馬という浪人があったが、一日右門と議論を戦わせたところ、右門のために説伏されて、面目を失ったところから、逆怨みをして同門弟の中の、宮崎準曹、佐藤源太夫、禅僧霊宗を語らって、大弐と右門との企てを、官に向かって密告した。