Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
女煙術師の嘆き
で黙って紋也をみつめた。
と、今度は紋也の口から、お粂にとっては恐ろしい言葉が、たたきつけるように洩らされた。
「私にはあるのでござりますよ。あなたの美しさに捉えられたり、あなたの情熱に溺れたりしては、申し訳のない一人の女が!」
「恋人※(感嘆符疑問符、1-8-78)」とお粂は上気していった。
「京師方の娘! 私の許婚!」――するとお粂は狂人のように、胸の前で両手を叩き合わせたが、憑かれた女のように口説き出した。
女煙術師の嘆き
「あなたに許婚がありましょうとも、よしんば恋人がありましょうとも、なんで妾がそのようなことで、あなたを断念いたしましょう。妾はかえって勇気づきます。妾はきっとあなたの許婚を、この妾の燃えるような心で、あなたから離してお目にかけます。この妾という人間は、そういう性質なのでございます。競争相手が一人でもあると、勇気づくのでございますよ。……そうして一旦思い込んだことは、よしんば悪い事でもありましょうとも、いつかはきっとやりとげて見せます。ええええ妾という人間は、そういう性質なのでございますよ。……妾はあなたを愛しております。ですからどのような邪魔があろうと、きっとあなたを手の中へ入れて、妾のものにしてお目にかけます。