Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

「たとえばどんな面白いことがある」「私利私欲にふけりながら、お国のためじゃと申しております」「いかさまこれは面白い」「公平公平と申すことによって、不公平ばかりをいたします」「いかさまこれは面白い」「何をやっても一方の人は当たり、何をやっても一方の人ははずれる、肥って行く人と痩せて行く人と、ハッキリ分かれおりまする」「これはどうも面白くないが」「にもかかわらず肥って行く人は、泰平な浮世じゃと申しております」「なるほどこれは面白い。が、お前のいっていることは、誰も彼も知っていることばかりじゃ。あえて珍しいことでもない。珍しいことがどこかにないか?」「珍しい人間ならおじゃります」「聞きたいものじゃ、なんという男じゃ」「お狂言師の泉嘉門という、穢らしい老人におじゃります」「聞いたような名だがどこが珍しい」――「※(歌記号、1-3-28)泉嘉門の珍しさは、なんにたとえん唐衣、錦の心を持ちながらも、襤褸に劣る身ぞと、人目に見ゆる情けなや、ころは神無月の夜なりしが、酒をとうべてヒョロヒョロと……」でたらめの謡をうたいながら、佐久間町二丁目まで彷徨って来た。と、女の声であったが、子守唄をうたう声が聞こえて来た。