Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
女はお粂であり男は金兵衛であった。
見て取るや兵馬は、「しめた!」と思った。
「藤井右門の遺児としては、お粂は己には怨敵だが、しかし己はあの女が好きだ。手に入れて自由にした上で、息の根を止めてやることにしよう」――で源兵衛にも旨を含め、見え隠れに二人の後をつけた。
が、袋井を通り抜けて、見付の駅路へはいった時、どうしたものか見失ってしまった。
で、今、街道を歩きながら、兵馬と源兵衛とは残念そうに、その事について話しているのであった。
紋服ではあるがあかじみた単衣を、二人ながらだらりと着流している。はいているたびも切れていれば、はいている雪駄も切れていた。歩くごとにかわいている地面から、バッバッとほこりが舞い上がって、裾をまみれさせた。
二人は先へたどって行く。
事実二人の思っているように、お粂と金兵衛とがこの街道を、京へ旅しているのであろうか。
二人は事実旅していた。
しかしこのころ二人の者は、見付の駅路の棒鼻のあたりを、話しながら先へ進んでいた。
「お許婚の園子様を、紋也様には京から呼び寄せ、京丸へこさせてお住居なさるという。当然のことではあろうけれど、私には悲しくも口惜しい。