Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
それは静坐法と同様だ。「それはききめがありますよ、一週間でこれこの通り」と下腹をわざわざあけて不愉快な臍を見せるのだ。私は当時随分沢山の臍の種類を見せてもらった。
この、勧めたがるという事から、私の水難が起こって来るのである。昔は中学時代において散々悩まされたのだ。これは体育のためとあって、勧めるというよりもむしろ強制的である。濡れた褌をぶら下げて、暑い夕日の中を帰ってくる時の気色の悪さは、実に厭世の感を少年の心に目醒めさせた。従って私は水泳の時間は欠席するか蛤を漁る事によって、せめての鬱晴らしとしたものであった。
私の妻は何々水練場とかへ通っていたというので多少の心得がある処から夏になると海へ行きたがるのだ、初めのうちはそれで随分手古摺ったものだが、いかに亭主は海を好かぬかという事を了解するに及んで、この節はあまり誘わなくなったので私は最も手近い水難から救われたのである。
全くの処、細君の水泳を砂地の炎天できものを預かりながら眺めているという惨めさは憐れむべきカリカチュールでなくて何んであるか。私は最近芦屋へ移った。永い間の都会生活に比して、何んともいえず新鮮な心地がする。