Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
下手もの漫談
それは真にさもそうかも知れない。部屋で充分自分のくせをつけてしかる後、彼女の前へ立とうとするであろう。何はともあれ結いたての髪、新調の帽子等みなことごとく相当の不調和さと嫌らしさを備えている。私はそれが何より嫌だ。
下手もの漫談
芸術家が最上の芸術を作ろうとして出来上った手数のかかった、高尚、高貴、高価な品物ではなく、ただ食事のために作った茶碗や食卓、酒の壺、絵草紙や版画の類あるいは手織木綿のきれ類といった如き日常の卑近なるものでありながら、その職人の熟練やその時代の美しい心がけなどがよく現れた結果、芸術家の苦心の作品よりももっと平易で親しみやすい、気取らぬ美しさが偶然にも現れているといった品物に対して、骨董屋は下手ものと呼んでいるように思う。
万事上等、高貴、高価なるもの以外は一切手に触れたくないという上品で持ち切る事の出来る人も結構だが、どんな下品、下等なものでも決して構わず眺め、食べ、観賞し、楽しむ事が出来るものもまた、世の中が手広くてかつ、安価で幸福である。そして偶々、上等のものにありついた時は、また、素晴らしく悦ぶ事も出来ようという訳だ。