Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
主として女の顔
それでは純粋の東京流の言葉と抑揚を用いようとすると、変に芝居じみるようで私の心の底で心が笑う。全くやり切れない事である。つまらない事で私はどれ位不幸を背負っているか知れないと思う。
それで私は、私の無礼が許される程度の仲間においては、なるべく私の感情を充分気取らずに述べ得る処の、本当の大阪弁を使わしてもらうのである。すると、あらゆる私の心の親密さが全部ぞろぞろと湧き出してしまうのを感じる。
私は、新らしい大阪人がいつまでもかかる特殊にして半端な言葉を使って、情けない気兼ねをしたり、ちぐはぐな感情を吐き出して困っているのが気の毒で堪らないのである。あるいはそれほど困っていないのかも知れないが、私にはさように思えて仕方がないのである。
主として女の顔
電車の中へ、若い女が新しく立ち現れた時、大概の女客はまずその衣服を眺めるけれども、われわれ男達はまずその顔を注視する。相当の年輩の老人でさえも雑誌や新聞の上から瞰むが如くつくづくと眺めているのを私は見る。
そしてなんだつまらないといった顔して再び新聞を安心して読みつづける男もあれば、興奮を感じて幾度も、幾度もその顔を見返しながら、ある陶酔を覚えているらしい男達をも私は認める。