Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
春の彼岸とたこめがね
ほんの四、五日の旅だったが、旅は私の神経の結び目をことごとく解いてしまった。もちろん肩のこりも下がっていた。
春の彼岸とたこめがね
私は昔から骨と皮とで出来上っているために、冬の寒さを人一倍苦に病む。それで私は冬中彼岸の来るのを待っている。
寒さのはては春の彼岸、暑さのはては秋の彼岸だと母は私に教えてくれた。そこで暦を見るに、彼岸は春二月の節より十一日目に入七日の間を彼岸という、昼夜とも長短なく、さむからず、あつからざる故時正といえり。彼岸仏参し、施しをなし、善根をすべしとある。
彼岸七日の真中を中日という、春季皇霊祭に当る。中日というのは何をする日か私ははっきり知らないが、何んでも死んだ父の話によると、この日は地獄の定休日らしいのである、そしてこの日の落日は、一年中で最も大きくかつ美しいという事である。
私が子供の時、父は彼岸の中日には必ず私を天王寺へつれて行ってくれた。ある年、その帰途父はこの落日を指して、それ見なはれ、大きかろうがな、じっと見てるとキリキリ舞おうがなといった。なるほど、素晴らしく大きな太陽は紫色にかすんだ大阪市の上でキリキリと舞いながら、国旗のように赤く落ちて行くのであった。