Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
出てからも一度看板を見直して見たが看板には足の裏は描いていなかった。
私は以来、足の裏が気にかかって仕方がない、美しい女を見ても、すぐ足の裏を思い出す、洋装の裾から出た二本の立派な足のその裏を考える。坐せる婦人を見るとその足を覗いて見る。私はモデルに寝たポーズをさせる時屡次その足の裏を見るが、どうも黒く汚れていたりして海士の形相を打ち消してくれそうなものに出会わない、その上太い足の指がお互いに開いていて、さもこの十四、五貫の重量は私が支えているのだといった表情をしているのが情ない。
私はどうかして形相よき足の裏を拝見してあの不愉快な感銘を打消したいものであると常に思っている。
ところが最近は紀州大崎へ出かけた、小船にのって弁天島へ渡ろうとして、偶然にも再び二人の海女を見た、そして私は水面に突き出ている四本の足を眺め、四つの足の裏を見て、昔の記憶を再び新にして随分厭だった。
西洋人が寝る時以外、決して靴を脱がないというのも、この形相を他人に見せたくないという心からかもしれないと思う、西洋人は何んとなくこの形相を恥じているのかも知れない、従って足は靴の中でひよひよ萎びて、西洋婦人の素足は鹿の如く怪奇な形相を呈しいよいよ他人に見せたくない足の裏となってしまっている。