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Japanische Klassiker mit Furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme

Aozora Bunko

私はこの石崖こそは自然のビルディングだと思ったから、私は早速彼らをこの石崖へ撒き散らしてしまったのであった。二、三十匹は確かにいたはずだ。

その夜、彼らは一斉に、元気に、鳴き出した。

すると、肝腎の鈴虫や、朝すずの声は蹴落されてしまった上、前栽は完全に空家の感じを出してしまった。でも私は、内心かなり得意なつもりで寝たものだ。ところへ父が帰って来た。そしてなぜこう一時に蟋蟀が鳴き出したのかといって大そう驚いた。母も察する処、楢重の所業だとにらんだらしい。多分昼の間に逃がしたんだすやろといった。私は忽ち恐縮を感じたが、もう如何んともする術はなかった。仕方がないので寝たふりをしていると、父は一人で庭へカンテラを持ち出して、石崖の間を狙っているのだ。弱った事になって来たと思っていると果して、私はゆり起された。楢重、ちょっと来いお前やろ、さあこの虫を皆退治てしまえといい渡された。ねむい眼で石崖の穴を覗いて見たが何も見えなかったが、なるほど、合唱隊は随分騒いでいる。

私はそれからおおよそ一週間というもの、毎晩の如く石崖の前へ立たせられた。私は棒を握ってカンテラの火で虫を呼びよせて見た。