Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
そこでとうとう同行の国枝金三さんに、君一つはばかりまでついて来てはくれまいかと頼んでみたものだ。
何がさて、仏性の金三さんだから快く引き受けてくれた。よしよしといいながら提灯を携げてついて来てくれた。なんぞいるかというので、私はちょっと待っててやといいながら尻をまくって便所の隅々を見廻した。すると予感というものはまったくおそろしいもので、大きな奴がしかも二匹、目玉が燐光を放って物凄いのだ。
君、いるいるといって私は往来へ逃げ出した。暫時、金三さんはドタンバタンと便所の中で一人立廻りをやっていたが、やがて小出君、安心しいや、もう二つとも殺したという声がした。私はその時位金三さんの親切が身に沁み込んだことはなかった。しかしながらこんな仏性の人に二匹まで殺生をさせたことを大変相すまぬと思って今に気にかかっているのである。
そんなに嫌いな蜘蛛をば種に使って私は子供の時分、よく大人を欺したことがある。私は画用紙へその大蜘蛛の姿を墨で描いて、鋏で切り抜くのであった。切り抜いてみると、自分で今切り抜いた筈のその絵の蜘蛛が、心もち悪くて自分で掴めない位なものである。