Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
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だから大体、西洋からの新帰朝者の感想や言葉などいうものほど信用のならないものはないと私は思う。皆いろいろのつきものや昂奮の飛沫を喋ることも多いのである。まず一、二年間は静養させてやる必要があるかも知れない。私なども日本へ帰ってからだんだんと西洋の味がわかって来たように思えてならない。
私が今度、再び渡欧出来る機会があったとしたら、その時こそはまったくの正気でゆっくりと長閑に味わいたいものだと考えるが、これには確信が持てないようだ。私はちょっとした旅をしても、落着いた心で制作することさえ出来ない性質であるから、またすぐさま天狗につままれてしまうかも知れない。怖るべきは天狗の仕業である。
だが、時々人間は何かにつままれたくなるものだ。つままれた昂奮状態というものはかなり淋しくない、いい気持でもあるのだ。
私は近頃何かにつままれてみたくて困っている。
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トランクから妙に西洋の話になってしまったからついでにもう一つ書いてしまう。
私はある冬、ベルリンに一カ月あまり滞在していたことがあった。その時はちょうど戦後で、マルクが非常に下がり始めた頃だった。日本人は妙な運勢から皆大変な金持になったのだ。