Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
しかしながら、銘刀は祟りをなすという事がある。それは銘刀の所有者が低能者であったからである。百人の低能者が最新の軍艦へ乗り込んだとしたら、その威力を充分我が海軍のために発揚し得るかどうか、うたがわしい。
われわれはそれがために軍艦を呪い、銘刀を捨てる必要はない。何もかもが人間それ自身の問題ではある。素描や厳格な写実が人を殺す場合はあるかも知れないけれども、それは殺された人が弱かったためである。それ位の弱者は早いうちに殺されて置く方が自他共に幸福であるかも知れない。
しかしながら、人はなかなか容易に死に切れるものではない。画技の下敷となり半死半生の姿を以て、しかもそれに馴れ切って平然と生きている処の大勢があるものである。そして形だけは整頓した処の、例えば甲冑を着けたる五月人形が飾り棚の上に坐っている次第である。かかる者を総称して近代の若い人たちはただ何んとなく、アカデミックという風の名称を捧げているように思う。
石橋を叩いてばかりいて決して渡り得ない臆病者と石橋を叩く事ばかりに興味を覚えて渡る事を忘れてしまうものとがある。あるいは決して叩かずに渡る勇者がある。