Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
何か心不安なる折、何かが癪に障る時、苛々する時このシグナルの青色の光を眺めると一時この世の何物をも忘れ去ることができる。それは私にとってのカルモチンである。
昔の散髪屋とか湯屋の装飾品としての懸け額に日本名勝風景などの類や役者の似顔や、美人、いなせな男が絞りの手拭を肩に掛けたる肖像等を浮世絵末期的手法によって、これもまたガラスへ描かれてあるのを私は見た。あるいは手箱の表の装飾として美人のガラス絵が嵌め込まれているのも昔は多かった。私は子供の時からそのガラスに描かれてあるところの不思議な光沢と色感の魅惑に迷わされがちだった。
だいたいガラス絵(ビードロ絵ともいわれている)というものはガラスの裏といってもガラスに表裏はないようだが、ともかく、ガラスの一方から絵を描いて、その裏側へ絵の答を表していく技術なのである。普通の絵のごとく表から観賞するのではない。ガラスへ塗った色彩をその裏側から見ると絵具の面の反対がことごとくガラスに吸収されてまったく色ガラスを見るのと同じ効果を表す。
昔、話はちがうがガラス写しの写真というものがあった。あれは色彩がなく、単に白と黒との調子のものであるが、しかしちょうどガラス絵と同じ仕事を写真でやったものである。