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Japanische Klassiker mit Furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme

Aozora Bunko

罰あたりめが、恩を仇で返すとはそのことや」といった。私は平身低頭以外の何物でもなかった。

5

その後、難波あたりで小さな文房具屋が始まった。私と花嫁さんがきちんと向き合って店の番をした。B夫婦はまずこれで一と安心やといって安心をしてくれた。

花嫁R子は神経的な清潔さを持った女だったが、どうしたわけか、二、三カ月すると奥座敷のくらい壁に向かって、幾日もわけのわからぬ涙を流して動かなくなってしまった。時にはそのまま二、三日も失神してしまう。私は何が何だかわからない。ただ彼女の前へ、朝から晩まで坐って慰めていた。R子は私の顔を見つめている間は笑っているのだが、客がくるとか、用事で立つと、すぐ泣き出すのだ。客と私が店で応対中は、暖簾の間から顔を出して微笑を私に捧げるものだから、客も少なからずおそれて逃げ出した。

店はしたがって丁稚と番頭の二人の世界だった。手車を曳いて二人は顧客廻りに出るのだが、芝居裏のとある街角の電柱で手車はいつも一人待たされていた。巡査は時々この車は一体誰のものかといって、靴で一つ蹴って行った。

今月も、来月も毎月損害ばかりだった。