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Japanische Klassiker mit Furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme

Aozora Bunko

九月十四日 地中海にて クライスト丸より

三日してマルセーイユへつけば、一泊の後ちパリへ入る。

ポートセイドではよほど欧洲らしい気分になって来た。夜のメンストリートの道側のカフェーの椅子に腰かけて、散歩する色々な人種を眺めていると、カフェーのオーケストラが聞えてくるし、路バタの熱帯らしい樹木が垂れ下がって、実にいい気もちだ。

早く帰って、も一度今度は重子も泰公もつれて来てやろうかと云う心もちがしている。それはいいんだからね。

此の辺はエジプトの黒人と、アラビヤ人と、欧洲人とのごっちゃまぜだから面白い。黒い人は皆赤いトルコ帽を被っている。

何れマルセーイユへつけば、又手紙をかく事にする。

もう船の中では、皆上陸の準備で忙がしい。

熱いうちは、デッキが賑やかだったが、もうこのごろのデッキは、ヒッソリとして、皆が Cabin へ入ってしまっている。海洋のまん中でも、秋はもの淋しくなるものだ。

今夜は甲板で月見の宴をやろうという話がある。丁度、日本では豆明月だと思う。サヤマメがたべて見たいと思う。

パリへ入る日は、丁度おひがんの入りあたりであると思う。