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Japanische Klassiker mit Furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme

Aozora Bunko

ある日ちょっと散歩して帰ってみると、締切って出たはずの障子が少し開いているではありませんか。

おかしなことだと思ってちょっと恐る恐る中を覗いてみますと、大きな一匹の女鹿が座敷へ上がり込んで寝ているのでありました。

おい君、出たまえ、と大久保君が鹿に申しました。私は箒を持ち出して鹿のお尻を突いてみましたがなかなか動きません。ただ尻尾をピリピリと動かしただけです。しかしながら四畳半で眺める鹿の大きさは、また格別なもんだなと思いました。

君出たまえぐらいでは駄目だというので、二人がかりで尻をどやしつけましたら鹿は止むを得ぬといった様子でのそりと庭へ降りました。

温厚である大久保君も、そののっそりとした様子が、いかにも人を見下げた態度だと腹を立て、やにわにステッキを握って鹿の後を追いました。

鹿という奴は一体ちょっと見たところいかにも愛すべき動物のようですが、まず一カ月と交際を続けて御覧なさい、以外に意地の悪い、女の腐ったような奴だということを発見するでしょう。大久保君鹿を目がけてステッキを投げつけた。すると彼女はずるい目つきでわれわれを眺めながらスポンという音とともにおならを発しました。