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Japanische Klassiker mit Furigana

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

四十、相摸の小野

。『成るほどこの方なら少女姿に仮装られてもさして不思議はない筈……。』失礼とは存じながら私はその時心の中でそう感じたことでございました。

それはさて置き、命はその際は二晩ほどお泊りになって、そのままお帰りになられましたが、やがて帝のお裁可を仰ぎて再び安芸の国にお降り遊ばされ、その時いよいよ正式に御婚儀を挙げられたのでございました。尤も軍務多端の際とて、その式は至って簡単なもので、ただ内輪でお杯事をされただけ、間もなく新婚の花嫁様をお連れになって征途に上られたとのことでございました。『斯ういう場合であるから何所へまいるにも、そちを連れる。』命はそう仰せられたそうで、又姫の方でも、いとしき御方と苦労艱難を共にするのが女の勤めと、固く固く覚悟されたのでした。

四十、相摸の小野

幾年かに跨る賊徒征伐の軍の旅路に、さながら影の形に伴う如く、ただの一日として脊の君のお側を離れなかった弟橘姫の涙ぐましい犠牲の生活は、実にその時を境界として始められたのでした。或る年の冬は雪沓を穿いて、吉備国から出雲国への、国境の険路を踏み越える。又或る年の夏には焼くような日光を浴びつつ阿蘇山の奥深くくぐり入りて賊の巣窟をさぐる。