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Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

然し、あまり経済問題に結びつけ、芸術は、最も僅少の資本――原料で――多大な利益を得られると云う考えかたを無条件で紹介するのは、実に悪い。工人を数多く作るならよい。いかに高級で、自由意志から出ても、原料と利益を天秤にかけて居るうちは職工だ。

一つの小説を、右のような立場から見たら、誰でも小説書きになるだろう。

第一、資本の部、

原稿紙、百枚書きあげるとして五百枚、三円迄、

インク 一瓶  四五十銭

ペン  万年筆のよいのでも十円

そして、原稿料は一枚一円としても百円、

純益八十六円五十銭也! 噫、ああ※

誰が、利益を考えて、苦しい創作の仕事に従うか! 芸術教育家などと云う専門家が、そう云う考えかたで行く間は、すばらしい芸術家は出ないとさえ云えるだろう。

◎

クルラムボウと娘との心持を読み、涙をこぼした。自分と父上とを縷いで居る愛情に、何か切な、彼等の心持と共通なところのあるのを感じたからだ。

あれ程、男性と云う者に、総括的な侮蔑や嫌厭を感じて居る母上でさえ、自分の父には実に深い愛を持って居られ、汽車の中で、死んだ頃の父上に似た老人を見、懐しさ、寂しさ、娘に戻った心持であったとさえ云われた。