Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme
十月十六日
十月十七日
夜、藤沢に持って行く毛織ものを買いに塩町まで二人で出かけたら、電車を降りないうちにボツボツ雨降って来た。ぐっしょりになったが、到頭シャツ三枚、女の肌着三枚ととのえる。
洋品店にまるで白と黒の毛の美しい、眼のつやつやと黒い大きなモルモットを見た。
通って気をつけて見ると、夜はよく、大きな肥った立派な白黒毛の猫や何かが、店のカウンターに出て居る。
モルモットの印象は忘られず。兎のように段々鼻先から高まって真丸のような背の線、長めな毛で艶やかに包まれた全身の感じが、実際の大きさより感じに於て、遙に豊富な強ささえ与えた。
十月十七日(水曜)晴
A、藤沢行。
一日、藤沢夫婦居ず、二人の子供ばかり留守番をして居たそうだ。いそいでかえって見ると、細い露路は左右からつぶれかかった家で通れない有様なので、きっと二人は死んだものと思い込み、妻君は「子供に死なれては生きて居る瀬がない」とぼんやり気を失いそうになったところを、近所の者が、大丈夫大丈夫生きて無事で居る、と云われたので、ほっといきをつき、娘と二人で先ず上野ににげたのだそうだ。娘のりんも家中やけ出され。今夫の郷里に居る由。