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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

本当は買ってくれっていう気なんですよ、きっと」

夫婦には李鴻章の掛物よりもまだ外に買いたいものが沢山あった。段々大きくなって来る女の子に、相当の着物を着せて表へ出す事の出来ないのも、細君からいえば、夫の気の付かない心配に違なかった。二円五十銭の月賦で、この間拵えた雨合羽の代を、月々洋服屋に払っている夫も、あまり長閑な心持になれようはずがなかった。

「復籍の事は何にもいい出さなかったようですね」

「うん何にもいわない。まるで狐に抓まれたようなものだ」

始めからこっちの気を引くためにわざとそんな突飛な要求を持ち出したものか、または真面目な懸合として、それを比田へ持ち込んだ後、比田からきっぱり断られたので、始めて駄目だと覚ったものか、健三にはまるで見当が付かなかった。

「どっちでしょう」

「到底解らないよ、ああいう人の考えは」

島田は実際どっちでも遣りかねない男であった。

彼は三日ほどしてまた健三の玄関を開けた。その時健三は書斎に灯火を点けて机の前に坐っていた。丁度彼の頭に思想上のある問題が一筋の端緒を見せかけた所であった。彼は一図にそれを手近まで手繰り寄せようとして骨を折った。