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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

九十一

何しにこんな出来損いが舞い込んで来たかという顔付をした父は、殆んど子としての待遇を彼に与えなかった。今までと打って変った父のこの態度が、生の父に対する健三の愛情を、根こぎにして枯らしつくした。彼は養父母の手前始終自分に対してにこにこしていた父と、厄介物を背負い込んでからすぐ慳貪に調子を改めた父とを比較して一度は驚ろいた。次には愛想をつかした。しかし彼はまだ悲観する事を知らなかった。発育に伴なう彼の生気は、いくら抑え付けられても、下からむくむくと頭を擡げた。彼は遂に憂欝にならずに済んだ。

子供を沢山有っていた彼の父は、毫も健三に依怙る気がなかった。今に世話になろうという下心のないのに、金を掛けるのは一銭でも惜しかった。繋がる親子の縁で仕方なしに引き取ったようなものの、飯を食わせる以外に、面倒を見て遣るのは、ただ損になるだけであった。

その上肝心の本人は帰って来ても籍は復らなかった。いくら実家で丹精して育て上たにしたところで、いざという時に、また伴れて行かれればそれまでであった。

「食わすだけは仕方がないから食わして遣る。しかしその外の事はこっちじゃ構えない。