Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
四十二
しかも自から知らなかった。
四十二
同時に健三の気質も損われた。順良な彼の天性は次第に表面から落ち込んで行った。そうしてその陥欠を補うものは強情の二字に外ならなかった。
彼の我儘には日増に募った。自分の好きなものが手に入らないと、往来でも道端でも構わずに、すぐ其所へ坐り込んで動かなかった。ある時は小僧の脊中から彼の髪の毛を力に任せてり取った。ある時は神社に放し飼の鳩をどうしても宅へ持って帰るのだと主張してやまなかった。養父母の寵を欲しいままに専有し得る狭い世界の中に起きたり寐たりする事より外に何にも知らない彼には、凡ての他人が、ただ自分の命令を聞くために生きているように見えた。彼はいえば通るとばかり考えるようになった。
やがて彼の横着はもう一歩深入りをした。
ある朝彼は親に起こされて、眠い眼を擦りながら縁側へ出た。彼は毎朝寐起に其所から小便をする癖を有っていた。ところがその日は何時もより眠かったので、彼は用を足しながらつい途中で寐てしまった。そうしてその後を知らなかった。
眼が覚めて見ると、彼は小便の上に転げ落ちていた。不幸にして彼の落ちた縁側は高かった。