Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
二十四
「みんなで交際っちゃいけないって忠告でもなさるんじゃなくって。御兄さんもいらっしゃると書いてあるでしょう、其所に」
端書には細君のいった通りの事がちゃんと書いてあった。
兄の名前を見た時、健三の頭にふとまた御縫さんの影が差した。島田が彼とこの女を一所にして、後まで両家の関係をつなごうとした如く、この女の生母はまた彼の兄と自分の娘とを夫婦にしたいような希望を有っていたらしかったのである。
「健ちゃんの宅とこんな間柄にならないとね。あたしも始終健ちゃんの家へ行かれるんだけれども」
御藤さんが健三にこんな事をいったのも、顧りみれば古い昔であった。
「だって御縫さんが今嫁いてる先は元からの許嫁なんでしょう」
「許嫁でも場合によったら断る気だったんだろうよ」
「一体御縫さんはどっちへ行きたかったんでしょう」
「そんな事が判明るもんか」
「じゃ御兄さんの方はどうなの」
「それも判明らんさ」
健三の子供の時分の記憶の中には、細君の問に応ぜられるような人情がかった材料が一つもなかった。
二十四
健三はやがて返事の端書を書いて承知の旨を答えた。そうして指定の日が来た時、約束通りまた津の守坂へ出掛けた。