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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

二十

「だってこれから先何をいい出さないとも限らないわ」

細君の胸には最初からこうした予感が働らいていた。其所を既に防ぎ止めたとばかり信じていた理に強い健三の頭に、微かな不安がまた新らしく萌した。

二十

その不安は多少彼の仕事の上に即いて廻った。けれども彼の仕事はまたその不安の影をどこかへ埋めてしまうほど忙がしかった。そうして島田が再び健三の玄関へ現れる前に、月は早くも末になった。

細君は鉛筆で汚ならしく書き込んだ会計簿を持って彼の前に出た。

自分の外で働いて取る金額の全部を挙げて細君の手に委ねるのを例にしていた健三には、それが意外であった。彼はいまだかつて月末に細君の手から支出の明細書を突き付けられた例がなかった。

「まあどうにかしているんだろう」

彼は常にこう考えた。それで自分に金の要る時は遠慮なく細君に請求した。月々買う書物の代価だけでも随分の多額に上る事があった。それでも細君は澄ましていた。経済に暗い彼は時として細君の放漫をさえ疑った。

「月々の勘定はちゃんとして己に見せなければいけないぜ」

細君は厭な顔をした。彼女自身からいえば自分ほど忠実な経済家はどこにもいない気なのである。