Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
八十一
「男かね女かね」
「女の御子さんで」
産婆は少し気の毒そうに中途で句を切った。
「また女か」
健三にも多少失望の色が見えた。一番目が女、二番目が女、今度生れたのもまた女、都合三人の娘の父になった彼は、そう同じものばかり生んでどうする気だろうと、心の中で暗に細君を非難した。しかしそれを生ませた自分の責任には思い到らなかった。
田舎で生まれた長女は肌理の濃やかな美くしい子であった。健三はよくその子を乳母車に乗せて町の中を後から押して歩いた。時によると、天使のように安らかな眠に落ちた顔を眺めながら宅へ帰って来た。しかし当にならないのは想像の未来であった。健三が外国から帰った時、人に伴れられて彼を新橋に迎えたこの娘は、久しぶりに父の顔を見て、もっと好い御父さまかと思ったと傍のものに語った如く、彼女自身の容貌もしばらく見ないうちに悪い方に変化していた。彼女の顔は段々丈が詰って来た。輪廓に角が立った。健三はこの娘の容貌の中にいつか成長しつつある自分の相好の悪い所を明らかに認めなければならなかった。
次女は年が年中腫物だらけの頭をしていた。風通しが悪いからだろうというのが本で、とうとう髪の毛をじょぎじょぎに剪ってしまった。