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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

「あんなものあ、宅にあったって仕方がないんだから、持って御出でよ。なに比田だって要りゃしないやね、汚ない達磨なんか」

健三は貰うとも貰わないともいわずにただ苦笑していた。すると姉は何か秘密話でもするように急に調子を低くした。

「実は健ちゃん、御前さんが帰って来たら、話そう話そうと思って、つい今日まで黙ってたんだがね。健ちゃんも帰りたてでさぞ忙がしかろうし、それに姉さんが出掛けて行くにしたところで、御住さんがいちゃ、少し話し悪い事だしね。そうかって、手紙を書こうにも御存じの無筆だろう……」

姉の前置は長たらしくもあり、また滑稽でもあった。小さい時分いくら手習をさせても記憶が悪くって、どんなに平易しい字も、とうとう頭へ這入らずじまいに、五十の今日まで生きて来た女だと思うと、健三にはわが姉ながら気の毒でもありまたうら恥ずかしくもあった。

「それで姉さんの話ってえな、一体どんな話なんです。実は私も今日は少し姉さんに話があって来たんだが」

「そうかいそれじゃ御前さんの方のから先へ聴くのが順だったね。何故早く話さなかったの」

「だって話せないんだもの」

「そんなに遠慮しないでもいいやね。