Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

七

七

彼はこれから宅へ帰って今夜中に片付けなければならない明日の仕事を有っていた。時間の価値というものを少しも認めないこの姉と対坐して、何時までも、べんべんと喋舌っているのは、彼にとって多少の苦痛に違なかった。彼は好加減に帰ろうとした。そうして帰る間際になってやっと帽子を被らない男の事をいい出した。

「実はこの間島田に会ったんですがね」

「へえどこで」

姉は吃驚したような声を出した。姉は無教育な東京ものによく見るわざとらしい仰山な表情をしたがる女であった。

「太田の原の傍です」

「じゃ御前さんのじき近所じゃないか。どうしたい、何か言葉でも掛けたかい」

「掛けるって、別に言葉の掛けようもないんだから」

「そうさね。健ちゃんの方から何とかいわなきゃ、向で口なんぞ利けた義理でもないんだから」

姉の言葉は出来るだけ健三の意を迎えるような調子であった。彼女は健三に「どんな服装をしていたい」と訊き足した後で、「じゃやッぱり楽でもないんだね」といった。其所には多少の同情も籠っているように見えた。しかし男の昔を話し出した時にはさもさも悪らしそうな語気を用い始めた。

「なんぼ因業だって、あんな因業な人ったらありゃしないよ。