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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

しかもその非難に理由のある事もまた御互に認め合わなければならなかった。

我慢な健三は遂に細君の生家へ行かなくなった。何故行かないとも訊かず、また時々行ってくれとも頼まずにただ黙っていた細君は、依然として「面倒臭い」を心の中に繰り返すぎりで、少しもその態度を改めようとしなかった。

「これで沢山だ」

「己もこれで沢山だ」

また同じ言葉が双方の胸のうちでしばしば繰り返された。

それでも護謨紐のように弾力性のある二人の間柄には、時により日によって多少の伸縮があった。非常に緊張して何時切れるか分らないほどに行き詰ったかと思うと、それがまた自然の勢で徐々元へ戻って来た。そうした日和の好い精神状態が少し継続すると、細君の唇から暖かい言葉が洩れた。

「これは誰の子?」

健三の手を握って、自分の腹の上に載せた細君は、彼にこんな問を掛けたりした。その頃細君の腹はまだ今のように大きくはなかった。しかし彼女はこの時既に自分の胎内に蠢めき掛けていた生の脈搏を感じ始めたので、その微動を同情のある夫の指頭に伝えようとしたのである。

「喧嘩をするのはつまり両方が悪いからですね」

彼女はこんな事もいった。