Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
九十九
「御前の宅はどうだい」
「別に変った事もありません。ああなると心配を通り越して、かえって平気になるのかも知れませんね」
健三は挨拶の仕様もなかった。
「あの紫檀の机を買わないかっていうんですけれども、縁起が悪いから止しました」
舞葡萄とかいう木の一枚板で中を張り詰めたその大きな唐机は、百円以上もする見事なものであった。かつて親類の破産者からそれを借金の抵当に取った細君の父は、同じ運命の下に、早晩それをまた誰かに持って行かれなければならなかったのである。
「縁起はどうでも好いが、そんな高価いものを買う勇気は当分こっちにもなさそうだ」
健三は苦笑しながら烟草を吹かした。
「そういえば貴夫、あの人に遣る御金を比田さんから借りなくって」
細君は藪から棒にこんな事をいった。
「比田にそれだけの余裕があるのかい」
「あるのよ。比田さんは今年限り株式の方をやめられたんですって」
健三はこの新らしい報知を当然とも思った。また異様にも感じた。
「もう老朽だろうからね。しかしやめられれば、なお困るだろうじゃないか」
「追ってはどうなるか知れないでしょうけれども、差当り困るような事はないんですって」