Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
健康の次第に衰えつつある不快な事実を認めながら、それに注意を払わなかった彼は、猛烈に働らいた。あたかも自分で自分の身体に反抗でもするように、あたかもわが衛生を虐待するように、また己れの病気に敵討でもしたいように。彼は血に餓えた。しかも他を屠る事が出来ないのでやむをえず自分の血を啜って満足した。
予定の枚数を書きおえた時、彼は筆を投げて畳の上に倒れた。
「ああ、ああ」
彼は獣と同じような声を揚げた。
書いたものを金に換える段になって、彼は大した困難にも遭遇せずに済んだ。ただどんな手続きでそれを島田に渡して好いかちょっと迷った。直接の会見は彼も好まなかった。向うももう参上りませんといい放った最後の言葉に対して、彼の前へ出て来る気のない事は知れていた。どうしても中へ入って取り次ぐ人の必要があった。
「やっぱり御兄さんか比田さんに御頼みなさるより外に仕方がないでしょう。今までの行掛りもあるんだから」
「まあそうでもするのが、一番適当なところだろう。あんまり有難くはないが。公けな他人を頼むほどの事でもないから」
健三は津守坂へ出掛て行った。
「百円遣るの」
驚ろいた姉は勿体なさそうな眼を丸くして健三を見た。