Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

「そういう訳なら宜しゅう御座います。承知の旨を向へ伝えて下さい。しかし交際は致しても、昔のような関係ではとても出来ませんから、それも誤解のないように申し伝えて下さい。それから私の今の状況では、私の方から時々出掛けて行って老人に慰藉を与えるなんて事は六ずかしいのですが……」

「するとまあただ御出入をさせて頂くという訳になりますな」

健三には御出入という言葉を聞くのが辛かった。そうだともそうでないともいいかねて、また口を閉じた。

「いえなにそれで結構で、――昔と今とは事情もまるで違ますから」

吉田は自分の役目が漸く済んだという顔付をしてこういった後、今まで持ち扱っていた烟草入を腰へさしたなり、さっさと帰って行った。

健三は彼を玄関まで送り出すと、すぐ書斎へ入った。その日の仕事を早く片付けようという気があるので、いきなり机へ向ったが、心のどこかに引懸りが出来て、なかなか思う通りに捗取らなかった。

其所へ細君がちょっと顔を出した。「あなた」と二返ばかり声を掛けたが、健三は机の前に坐ったなり振り向かなかった。細君がそのまま黙って引込んだ後、健三は進まぬながら仕事を夕方まで続けた。