Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
二十三
それから羞恥に似たような一種妙な情緒があって、女に近寄りたがる彼を、自然の力で、護謨球のように、かえって女から弾き飛ばした。彼と御縫さんとの結婚は、他に面倒のあるなしを差措いて、到底物にならないものとして放棄されてしまった。
二十三
「貴夫どうしてその御縫さんて人を御貰いにならなかったの」
健三は膳の上から急に眼を上げた。追憶の夢を愕ろかされた人のように。
「まるで問題にゃならない。そんな料簡は島田にあっただけなんだから。それに己はまだ子供だったしね」
「あの人の本当の子じゃないんでしょう」
「無論さ。御縫さんは御藤さんの連れっ子だもの」
御藤さんというのは島田の後妻の名であった。
「だけど、もしその御縫さんて人と一所になっていらしったら、どうでしょう。今頃は」
「どうなってるか判らないじゃないか、なって見なければ」
「でも殊によると、幸福かも知れませんわね。その方が」
「そうかも知れない」
健三は少し忌々しくなった。細君はそれぎり口を噤んだ。
「何故そんな事を訊くのだい。詰らない」
細君は窘なめられるような気がした。彼女にはそれを乗り越すだけの勇気がなかった。
「どうせ私は始めっから御気に入らないんだから……」