Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
健三は箸を放り出して、手を頭の中に突込んだ。そうして其所に溜っている雲脂をごしごし落し始めた。
二人はそれなり別々の室で別々の仕事をした。健三は御機嫌ようと挨拶に来た子供の去った後で、例の如く書物を読んだ。細君はその子供を寐かした後で、昼の残りの縫物を始めた。
御縫さんの話がまた二人の間の問題になったのは、中一日置いた後の事で、それも偶然の切ッ懸けからであった。
その時細君は一枚の端書を持って、健三の部屋へ這入って来た。それを夫の手に渡した彼女は、何時ものようにそのまま立ち去ろうともせずに、彼の傍に腰を卸した。健三が受取った端書を手に持ったなり何時までも読みそうにしないので、我慢しきれなくなった細君はついに夫を促した。
「あなたその端書は比田さんから来たんですよ」
健三は漸やく書物から眼を放した。
「あの人の事で何か用事が出来たんですって」
なるほど端書には島田の事で会いたいからちょっと来てくれと書いた上に、日と時刻が明記してあった。わざわざ彼を呼び寄せる失礼も鄭寧に詫びてあった。
「どうしたんでしょう」
「まるで判明らないね。相談でもなかろうし。こっちから相談を持ち懸けた事なんかまるでないんだから」