Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
二十六
書物の事なら何時まで話していても、健三にとって迷惑にならないという自信でも持っているように見えた。不幸にして彼の知識は、『常山紀談』を普通の講談ものとして考える程度であった。それでも彼は昔し出た『風俗画報』を一冊残らず綴じて持っていた。
本の話が尽きた時、彼は仕方なしに問題を変えた。
「もう来そうなもんですね、長さんも。あれほどいってあるんだから忘れるはずはないんだが。それに今日は明けの日だから、遅くとも十一時頃までには帰らなきゃならないんだから。何ならちょっと迎に遣りましょうか」
この時また変化が来たと見えて、火の着くように咳き入る姉の声が茶の間の方で聞こえた。
二十六
やがて門口の格子を開けて、沓脱へ下駄を脱ぐ音がした。
「やっと来たようですぜ」と比田がいった。
しかし玄関を通り抜けたその足音はすぐ茶の間へ這入った。
「また悪いの。驚ろいた。ちっとも知らなかった。何時から」
短かい言葉が感投詞のようにまた質問のように、座敷に坐っている二人の耳に響いた。その声は比田の推察通りやっぱり健三の兄であった。
「長さん、先刻から待ってるんだ」
性急な比田はすぐ座敷から声を掛けた。