Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「でしょうか」

「死にたがっていたのは男かい、女かい」

「女の方で」

「男の方は」

「あまり気の進まない様子でしたよ」

「それじゃ大丈夫だ、男が死ぬ気になると、女を引摺って行くが――」

「ヘエ――」

「ところで、二人はどこの誰だったんだ」

「坂本町の丸屋の娘と、町内の専次とかいう若い男で、建具屋の息子だそうで」

「何? 丸屋? あの日本橋の坂本町のか? そいつは大変だ、昨夜女主人のお米が殺されたじゃないか」

「その養い娘のお夏が、青物町の久三郎親分に親殺しの疑いで縛られそうになって飛出したんだって言いましたよ」

「行ってみよう、八、話は歩きながらでも聴ける」

平次は煙草入を腰に、――夜風の寒い路地へもう飛出しておりました。

「待って下さい、親分」

続く八五郎、――そんな事には馴れたお静ですが、この晩ばかりは泣き出しそうな顔で二人を見送っております。――万一畳が濡れていたらどうしよう――そんな事を考えていたのでしょう。

二

話は一と晩前の事件に戻ります。

日本橋坂本町に、二十年前に死んだ夫の仕事を承け継いで、大きな一代身上を築き上げた、女金貸の丸屋お米というのが住んでおりました。