Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

夕陽の具合で、いつも見えないものが材木置場から見えたのでしょう。それを私が教えると、伊勢屋の旦那は釣竿を片手に、材木の端っこまで乗出して水の中を眺めました」

「…………」

「泳ぎの自慢な旦那でした。伊勢とかで育ったそうで、――こんな川へ落したところで、まさか死ぬような事もあるまい、私も四五年前、あの人にはひどい目に逢いました。この上妹まで、獣の餌食にしたくないばかり、――今晩が過ぎたら、何とかなるだろうと思う浅墓な考えから、突くともなしに、後ろから突いてしまいました」

「…………」

「旦那が水に落ちると、何も知らぬ妹は大きな声を出しました。私も思わず助けを呼ぶと、一度水に沈んだ旦那は、浮び上がって来て怖い顔で私達を睨みましたが、水の中の光る物を捜すつもりか、また底へもぐりました。――私と妹はもう怖くてそれを見てはいられません。思わず向うから来た舟を呼ぶと、旦那はもう一度水の上へ浮び上がって来ました。が、その時はもう怪我でもした様子で、滅茶滅茶に苦しんで、下へ下へと流れて行きました、――水は真っ赤になったようでした」

お国は言いおわってガックリ首を垂れました。