Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「お前さんは、どこへ行きなすったんだ」

と平次。

「車坂の桔梗屋へ参りました。夕方までに帰るつもりでしたが、無理に引止められて、晩の御馳走になりましたので、家へ帰ったのは、戌刻(八時)少し前でございましたか――」

専助の言うのは非常によく筋が通ります。

「お滝とやらに逢ってみたいが」

「ヘエ――」

専助に呼出された下女のお滝は、房州生れの十八、世間並みのよく肥った娘でした。投げ銭で額を割られて、少し大袈裟な繃帯はしておりますが、根が丈夫そうで、大した屈托もなく働いている様子です。

「お前は、泥棒の顔を見たそうだが、どんな人相をしていたえ」

と平次。

「若い、好い男でございましたよ」

「俺に少しは似ていたか」

「声と顔立は似ているようですが、まるっきり違いますよ。泥棒は左の頬に大きな赤痣がありますよ」

「何? 左の頬に、大きな赤痣、――よっぽど大きいか」

「掌の半分ほどもあるでしょう。一度見たら、どんな人ごみの中でも判ります。火のように真っ赤な痣ですもの」

「フーム」

偽平次、姿も声も顔も似たという泥棒の、頬冠りで包んだ左の半面に、掌の半分ほどの大痣があるとは、何という事でしょう。