Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

五月十九日

五月二十一日

五月二十二日

新聞社の人達は、雑誌社の方々より、どうも、あまりおいけになりませんね。末常さんを駅まで御見送りして、泊る。

五月二十一日

志賀直哉のことども思えば太宰さんはいきり立ち、やるかたなくてお飲みになった御様子で、朝、血痰出る。進行中の鮮明な色。

五月二十一日夜――。

五月二十二日

「僕ね、こないだ千草で酔って、女将にそう言っちゃったんだよ、ごめんね」

「なにを?」

「ごめんね、あのね、苦しいんだよ……。恋している女があるんだ」

「……」

三年位前からのおつきあいで、ファン・レターから、お見合いが始まり、この間手紙がきて、結婚を強いられている由。それで、この三十日にお逢いしたいとのこと。(この日は太宰さんがお決めになった日)……そしたら女将が「山崎さんが直ぐ前にいるから具合いが悪いけれど、裏からでも、一度位なら大丈夫でしょう」といった。「もしかしたら泊るかも知れないぜ」とそう言って約束したとのこと。

「お前のところで二日泊って、いろいろ考えたけれど、やっぱりお前と一緒の方が、僕はいいんだ。――そう思ったよ。お前に悪いよ。ねえ。何でも言えって約束してたから言うんだよ、ごめんね」