Japanische Klassiker mit Furigana
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あめのたまがわしんじゅう
雨の玉川心中
山崎 富栄
Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme
七月九日
七月十日
七月十四日
と、川端の店へいく。つれづれのお話。この人も再婚しなければいけないと言う。
「今日は温和しいのね、サッちゃん、飲もうか」
七月九日
悲しいひと二人、千草に泊る。
「太宰さんは私のために死ぬんじゃないってこと、分かりますわ」
「君のために生きてるんですよ。本当ですよ」
「私の方が苦しいわ」
「僕の方が苦しいよ。話すと君が泣くと思うから言わないけど。僕の腕を継いでくれる人のいないのは悲しいね」
「惜しい、太宰さんを死なせるのは、勿体ないわ」
「セッちゃんは、女太宰だね、だから好きなんだ」
随分多い私のニックネーム。
女太宰。椿やのサッちゃん。スタコラ・サッちゃん。もぐら。東光。
七月十日
「太宰さん以外、私の死ぬ本当の意味は分からないわ」
「愛している証拠だよ」
と、つねる。
「愛って、痛いものね」
と笑う。私は一番幸福者。生きていてよかったと思う。
七月十四日
「男の子が病身で可哀想でならないときがあるよ。そんなとき、ああ、いっそ、一緒に子供と死のうかと思うね。誰もそんな僕の苦しみを分からないのだ」
「太宰さんのようなお方が、あのような家に住み、こうした御様子をしていらっしゃるかと思うと――苦しんでいらっしゃるんだと思うわ」