Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

八月三十日

八月三十一日

失礼でしょうけど、遺品を何か記念に差し上げたいのです。

宮崎晴子さんにも今度ばかりは御迷惑をおかけしました。御礼の心で記念品を差し上げて下さいませ。

ほとんど整理品は整理し、洗濯も致してあるつもりですが、汚れた品が残してありましたら、何卒御許し下さいませ。

太宰さんは私には過ぎたる良人。そして私にはなくてはならない良人でした。

“僕の妻じゃないか”と仰言って下さったお心、忘れません。

“君と一緒になりたかったよ。君をもらった人は幸せだよ”私も十年前にお逢いしとうございました。

九月四日頃、お訪ねする御約束を野原さんとする。

八月三十日

“私が先生の妹にでも生まれてきていたら”

“ときどき、兄のような気がするのよ”

“そして愛人でしょう”

八月三十一日

早川さんのお話と、野原さんのお話に一喜一憂していたところ、今朝八時半頃「奥名さん」の声に飛びおきる。太宰さんだ。蒼い顔して、疲れた御様子で。奥様方が御留守になったので、やめようかと思ったけど、やっぱり呼びにきたよ、と仰言る。

「じゃ、直ぐね」とそこそこにお帰り。早速仕度をして御訪ねさせて頂く。はじめてみるお家の中。