Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第一一六項 青年、漁夫をだます
と呼びかくれば、油屋は、はじめて目がさめた心地にて、再び見上ぐれば一頭の狐もおらず、道路は平常のままにて自由に通行ができるありさまである。ただ、所持せる油はことごとく地上にまき散らしてあるには、自分ながら意外なるに驚いたという話を聞いた。これは、油屋が狐を恐れたるために幻覚を起こし、狐のおらざるに狐を見るに至ったので、あたかも夢を見たと同様である。あるいは催眠状態に入ったと同じありさまである。これを自己催眠の一種とするが、世間の狐惑談は多く自己催眠である。
第一一六項 青年、漁夫をだます
福岡県筑後にて聞いた狐話があるが、夏の夜、一人の漁夫が筑後川の岸にて鮎の釣りをしていた。その背面に蘆が茂っており、その薦を隔てて小道が川に並んでついている。たまたま夜ふけてこの道を通行する青年ありて、戯れに石を拾って釣りの場所へ投げたるに、漁夫はただいちずに狐が邪魔をするのとばかり心得、「ほしいなら一匹やろう」といいつつ、釣りたる鮎を背部へ向けて投げた。そうすると青年はこれはありがたいと思い、また石を投げたれば、漁夫は「まだほしいか」といいながら、今一尾投げて与えた。