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Japanische Klassiker mit Furigana

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おばけのしょうたい

おばけの正体

井上 円了

Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme

Aozora Bunko

第一二七項 夢中、鐘楼の屋上にのぼりたる話

しかるに、少時にして夢中に起き上がり、だれにも告げずして家を出でて、やみをおかして三里の山坂を越え、ついに海岸に至り遺失せる釣り竿を得て、即夜帰宅して再び寝に就き、翌朝目をさまして、さらに夜行せしことを覚えず。海岸に忘れたる竿の自宅にあるを見て自ら大いに驚き、不思議の念にたえざりしも、種々の事情を総合しきたるに、夢中にて海岸まで往復せしことが知れたということだ。もし、このことが五十年前に起こったならば、必ず天狗沙汰となり、あるいは天狗がその竿を持ち来たったとか、あるいは天狗が当人をつれて海岸へ往復したとかという評判が伝わるに相違なかろう。

第一二七項 夢中、鐘楼の屋上にのぼりたる話

前の話に類似の出来事が徳島県勝浦郡にもあった。いったい四国の怪談は、ほとんど犬神と天狗の二種に限られているくらいで、平民は犬神に悩まされ、士族は天狗につかるるものと信じられている。そのうち天狗について一奇談を紹介すれば、勝浦郡小松島町滞在中に聞いたが、ある寺の僧が夜中室を出でて、梯子を用いずして鐘楼の屋上にのぼり、自らどうしてここに至りしを覚えず。夜が明けてみれば、己はまさしくその屋上にある。