Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
が常に心にかかり、早晩これを研究してみたいとの念より、妖怪研究の志を起こすようになりました。人間は生きているに衣食住が一番大切であると申すけれども、衣食住よりモット大切のものは、安心するということであります。犬や猫は動物であるから、飲んだり食ったりすれば、そのほかになんらの望みもありませぬけれども、人間は動物より一段階級が進んでおりますから、飲み食いばかりでは満足いたしませぬ。必ず衣食住のほかに安心したいとの一念が、常に動き出して止めることがむずかしい。いかに貧困にして毎日の糊口に追わるるような身分でも、一日として安心を願わざる者はありませぬ。されば、犬や猫は飲食的動物、人間は安心的動物と異名を付けてもよろしからんか。とにかく人間と獣類との別は、安心を願うことを知ると知らざるとによりて定むることができます。
諸君は、かの道に太鼓をたたきて題目を唱え、手に御幣を握りてトオカミを叫び、観音参詣の老婆が一文ずつためたる金子を中店の売卜に費やし、天理信仰の病人が祖先伝来の財産を天輪王の御水に傾け、あるいは成田の不動に断食の願をかけ、あるいは川崎の大師に日参の誓いを立て、あるいは炎天をおかして高山を攀じ、あるいは厳冬に際して冷水に浴し、あるいは伊勢参宮、四国巡礼、あるいは京参り、大和めぐり等はなんのためであると考え