Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第三六項 井筒の陰火
と言い触らせしより、たちまち大評判となり、毎日黒山のごとき人だかりにて、「むかし、この所にて首をはねられた囚人が、無縁仏となり得道解脱ができずして、地獄の中に泣き叫ぶ、その涙雨が降るものならん」と噂し合う、云云。
その原因は、この場所が日本鉄道隅田川線荷物列車踏切の南に隣りいるゆえ、汽車が通行の際、汽罐より吹き上ぐる湯気が木の葉に掛かって凝結し、雫となって落つるのであったそうだ。しかるに、愚民はよくその原因をたださずに、己の迷信より種々の妄想を付会して、仏の涙などと申せし由。
第三六項 井筒の陰火
世間には狐火、鬼火と同じく、古井の中より青火を発することがある。その例は、先年発行の『毎日新聞』に出ていた。
東京府下南葛飾郡葛西村字大島の共同井戸より、フトこのごろの五月雨続く夜ごとのさびしさにつれて、青白き一団の陰火立ちのぼり、四、五尺の高さにてパッとかき消さるるを見たり。彼も見たりわれも見たりとて、おいおい噂広まりゆき、昨今はわざわざこれを見物せんとて近村より出かくる者もあるより、かかる場合の習慣にて種々の浮説これに伴って起こり、「かの井戸は何年前、これこれの女が恨みをのんで入水せしかば、その亡魂の夜な夜な不思議を現ずるものなるべし」