Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
第七二項 川天狗
しかるところ、水中より光りたるものが網にかかって出てきた。当人は川亡魂に相違なしと思い、網をすてて逃げて帰り、翌日再びここに至って検すれば、そのいわゆる川亡魂なるものは光り木であった。その地方にて聞いたる事実談。
第七二項 川天狗
今一つ、秩父にて聞いたる奇談がある。ある夜、同じ荒川にて網漁に出かけ、ずいぶん多く魚を捕らえたる後に、川上より黒き頭だけ水面に出して流れ来たるものがあったが、非常なる強力にてその網を引き取らんとしている。猟師は思うに、これは川天狗に相違ないと信じ、急に恐ろしくなり、せっかく捕らえたる魚類をそのまま見すてて自宅へ帰って来て、翌朝出でてその場所に至れば、網は残してあれども魚類は一尾もない。これは天狗に取られたのであるとばかり思っていた。他県ならば河童というであろうが、秩父辺りでは、川の中に天狗が住んでいるということを一般に信じている。かくして、漁者は翌晩再びその場所に至り網漁を始めたるに、前夜同様に黒き頭が流れきたりて網を引き取ろうとするから、今夜は川天狗を捕らえてやれと決心し、身を水中に投じたれば、その天狗が逃げ出した。これを追っかけて捕らえて見れば近辺の者であった。