Japanische Klassiker mit Furigana
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おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
Lesen Sie おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 194.415 Zeichen · 391 Bildschirme
じいさんが手まねきすると、みんなは、そのまわりへ、かけよってきました。
井上一郎少年の立っているそばを、子どもたちは、とおりすぎていくのです。しかし、だれも井上君に気づいたものはないようです。井上君のからだと、すれすれに走っていきます。井上君が見えれば、もっとはなれたところをとおるはずなのに、いまにもぶっつかりそうになるのです。
あっ、とうとう、ぶっつかりました。
小学校三年ぐらいの小さい子どもなので、大きなからだの井上君にぶっつかると、ころんでしまいました。
「あ、いたいっ。」
といいながら、みょうな顔をして、おきあがりました。どうしてころんだのか、わけがわからないらしいのです。
「正ちゃん、どうしたの?」
六年生ぐらいの大きい少年が、たおれた子どもをだきおこしながら、ききました。
「なにかに、ぶっつかったんだよ。」
「ぶっつかるものなんて、なんにもないじゃないか。つまずくものもないよ。」
「空気にぶっつかったんだよ。」
正ちゃんが、へんなことをいいました。
「ばかだな。空気にぶっつかるやつがあるもんか。」
大きい少年は、そういって、じょうだんのように、手をふりまわして、そのへんに、なにもないことを、たしかめるまねをしました。