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Japanische Klassiker mit Furigana

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ロザリオのくさり

ロザリオの鎖

永井 隆

Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

あの掘りかけの穴に費やした労働が無駄になるんだ。あの穴をこの穴まで掘りつなげば無駄にならぬ。パンのためだ、さあ掘れ! どうだい? 驚くだろう。ぼくらはパンのために、何の意味もない穴掘りを夕方おそくまでやらされたんだよ。……

まあ、こんな話が二人の間にあとからあとから思い出すままに語られる。すると私の友人がソ連から帰って訪ねてきたが、これまた同じくカロリー計算とパンの話だけしかしない。将校も兵もソ連へゆくとパンのことしか考えなくなるものらしい。そのやり方を詳しく聞くに及んで、なるほどうまく仕組んでいると感心した。

人間はパンを豊かに持っておればパンの心配はしないから、パンの問題を忘れて霊魂について考える余裕ができる。パンをほとんど持たなくなると、死におびやかされて同じく霊魂について考えるようになる。ところが、パンを、必要量よりもちょっと少なく与えられ、いつも軽い空腹を覚えている程度にしておかれると、いつもパンの事のみ考えるようになる。しかも、それが、労働量と結びつけられて、少し多く働くと満腹するだけ与えられ、ちょっとなまけると、すぐ空腹にこたえるというふうになっていると、いきおい働きながらパンの量だけしか考えないようになってしまう。